鉛筆デッサン資格で何が学べる?
美術館などに行ってモノクロのデッサン画像を見ると、なんだか懐かしいような、温かみのある雰囲気を感じることがあります。デッサンは日本語で素描と呼ばれ、絵画や彫刻において下絵的役割を担ったりします。
デッサンは、物を描く行為の土台的な部分と言えます。デッサンの資格的特徴はモチーフをとらえるという事が主なポイントですが、白と黒の限られたカラーリングで、モチーフの陰影や明暗、立体度合いを表すその技術は、過小評価できるものではありません。
デッサンにはよく鉛筆が用いられますが、鉛筆や消しゴムを駆使して紙に描き出されるモチーフは、あたかも命を持っているかのように精巧に描かれることがあります。
鉛筆デッサンを究めるなら、イラストであれその他の絵画であれ、基本的な画力をアップするのに貢献する事になるでしょう。そんな鉛筆デッサンの基礎をしっかりと身につけるにはどのようにしたら良いのでしょうか。
良い方法の一つは、鉛筆デッサンの資格取得を目指して学習する事です。鉛筆デッサンは趣味としても魅力的なものですが、仕事のスキルアップのためにも活かせる分野です。鉛筆デッサン資格として取得をオススメするものを2つご紹介します。
まずは日本デザインプランナー協会の「鉛筆デッサンマスター」資格です。この資格は、デッサンの理論や技術を理解して、様々な対照を描く技法をマスターしている人に与えられるものです。
この資格の取得によって、各種芸術関係の仕事にノウハウやスキルを取り入れることもできるうえ、自宅やカルチャースクールで講師活動をする可能性も開けるでしょう。もう一つの資格は日本インストラクター協会主催の「絵画インストラクター」です。
こちらはデッサンやスケッチの様々な技法や、各種類のツールの的確な使用方法などの専門的知識・技巧を持つ人に与えられる資格です。この有資格者は、デッサンのエキスパートとして認められることになります。
この資格も、講師資格としての一面もあり、仕事に活かすことが可能です。これらの資格では、モノクロへの置き換えや透視図法、幾何形体、材質感、講座、モチーフの描写、デッサンの用具や材料、光と影といった色々なデッサンの要素が扱われます。
鉛筆でイラストはうまくなる?
デッサンとは違った絵画表現に、イラストがあります。イラストは挿絵の一種です。教科書でもマンガでも新聞でも、色々な媒体でイラストは見かけます。
イラストも長い歴史を持つものですが、こちらは白や黒だけでなく、様々な色彩表現がなされるという点で大まかな違いがあります。また、あるモチーフの資格的特徴を描出するというよりは、比較的自由度が高い表現方法でもあります。
デッサンとイラストの違いを見ると、イラストを上手に仕上げるのに、デッサン力は関係がないように思えるかもしれません。しかし実際は、デッサン力はイラストの助けになるものです。例えばデッサンの重要な要素の一つに、陰影があります。
影の付き方を正確に表現する力があれば、そのデッサンは自然な仕上がりになり、見る人にとって美しいものになります。しかし、影がどうモチーフにまとわっているかをよく知らずにイラストを書いてしまうと、その陰の付き方は不自然な物になります。
またデッサンでは、人物を描く時に骨格や筋肉の付き方をよく意識します。その動きや視覚的特徴を意識した描出を行いますが、それらの特徴を正確に描かれない事には、ぎこちない表現に仕上がります。
正確に描くには、当然知識や観察眼が求められます。このように、知識や観察眼を持っている人の場合、イラストを描く時でも動きが自然な人物イメージを描けるでしょう。
例えば、イラストで手足が変な方向に向いてしまっていると、すぐに分かってしまうものです。デッサンの正確な表現や雰囲気の描画技術は、イラスト力を底上げするのに一役買うと言えるでしょう。
鉛筆デッサン資格にかかる費用
鉛筆デッサン資格を取るのには、やはり費用が必要となります。すでに紹介した2つの鉛筆デッサン資格の取得費用ですが、試験だけを受ける場合には、それぞれ消費税込で10,000円となります。鉛筆デッサンマスターと絵画インストラクターの2つで20,000円です。どちらか一方なら10,000円です。
また、これらの資格に対応する講座があるのですが、こちらの受講する場合は受講料も必要です。
対応する講座の一つは諒設計アーキテクトラーニングの「鉛筆デッサンマスターW資格取得講座」です。
この講座は、これら2つの資格を、同時に取得することを目的としたカリキュラムとなっています。コースは通常講座とスペシャル講座の2つが用意されています。通常講座の場合は、カリキュラム終了後にそれぞれの試験を受けて、無事合格した場合に資格取得となります。
一方スペシャル講座の場合は、試験が免除という特典があります。卒業課題を提出することによって試験の代わりとみなされるため、卒業と同時に無事資格が手に入るような仕組みとなっています。
両者には確実性の違いがあるため、試験を受けるか受けないか、それぞれの状況に合わせて選ぶと良いでしょう。通常講座で試験に臨む場合は試験の費用10,000円が発生します。しかし一部ディスカウントされる特典もあります。卒業生は、日本デザインプランナー協会が主催する鉛筆デッサンマスターの試験料が10%OFFとなります。そのため9,000円で受験可能です。
通常講座の受講料は59,800円です。もし両方の試験を受ける場合、59,800円+9,000円+10,000円=78,800円となります。スペシャル講座の受講料は79,800円です。こちらは通常講座を受けて試験を2つ受けるよりも1,000円だけ高い計算になりますが、2つの資格が卒業課題の提出によって同時に100%取得できる制度があるため、おトク感はあります。
ちなみに受講料は一括払いでも分割払いでも可能です。支払い方法もクレジットカードや学習ローン、コンビニ払いなど様々な方法で行えるため、選択肢が多い事になります。講座を受けて資格取得する場合は、試験だけを受ける時よりも高くなります。
ただし、体系的に学習できる分、スムーズなので安心感があります。講座では専門スタッフによる質疑応答無制限のサポートサービスがつくうえに、カリキュラムは初心者に対応しているのも魅力です。これからデッサン資格を取得して、イラストスキルを上げたい場合には、この講座はオススメです。
鉛筆デッサンは2カ月で資格取得できる
鉛筆デッサンの資格を取得するには、具体的にどれくらいの費用が必要なのでしょうか?
それは、学習方法によって異なります。自分で出題範囲を模索しながら勉強することも可能ですが、その場合では、集中して一つのテーマに取り組んだり、試験に出題される要素がまとまりきらず、時間がどんどん過ぎていってしまう可能性があります。
そのため、試験に対応したテキストなどを使用する方法が最善と言えます。前述で紹介した諒設計アーキテクトラーニングの「鉛筆デッサンマスターW資格取得講座」では、短い受講期間で2つのデッサン資格を取得することが可能です。
最短で、わずか2カ月ほどで取得できる講座内容となっています。個人差はあるので、多少前後はするものの、2カ月で2つの取得ということは1カ月で1資格取得です。ここまでハイスピードでなくても良いという人も、1日30分ほどの学習で6カ月くらいかけてじっくり学ぶことも可能です。
自分の好きなペースで進められるという通信制学習ならではのメリットですが、これを活用して、無理なく確実に試験勉強をすると良いでしょう。通信制のもう一つの良い所は、場所を選ばずに学べることです。自宅でも、他の場所であっても、テキストを使用して学習できるのもメリットです。もちろんどこでもデッサンの実践ができるわけではないですが、少なくともテキストでセオリーを学ぶ事は可能です。
学校に通う必要がある場合、どうしても時間調整が大変になりますが、通信制であればそれが解消されます。
なお、カリキュラムのフローを少しだけ説明すると、まずはデッサンの基本要素や用具の正しい使い方を覚えます。その後、モチーフの観察や表現スキルを身に付けます。そして実践に進みます。
カップやパプリカ、カサブランカ、風景、人物など難易度をあげながらモチーフを描いていきます。それが終わったら問題集や添削問題で試験対策をします。最終的に卒業課題の提出となります。
イラストに生かせるツールまとめ
イラストを描く時に活かせるツールをいくつかご紹介します。基本的にはデッサンのものと同じです。
まずは鉛筆です。鉛筆にはたくさんの種類があります。HやB、HBやFなどがあり、硬度や濃さによってレベルも違います。
9Hなどはかなり硬く薄い色になります。一方9Bは柔らかく濃い色になります。最初はそれぞれの違いが分からないかもしれませんが、3H ~3Bくらいのものを最初に使ってみて、徐々に数を増やしていけばOKです。ちなみにHBやFはHとBの中間に位置するレベルです。
鉛筆書きの場合、消しゴムはなんでもかまいません。続いて紙ですが、こちらは一般的な画用紙でOKです。水彩で描きたい場合、親水性が高い水彩紙で描く事で、ほかし表現も思いのままです。
ペンで描くなら凸凹が少なく強度が高いケント紙がおすすめです。毛羽立ちも少なくにじみも少ないです。これらの基本道具を揃えた上で、デッサン人形や、ポージングのための全身鏡なども用意する良いでしょう。また通常の直線定規はもちろん、曲線定規などもあると便利です。100均ショップでも売っているため、活用するとよいでしょう。
鉛筆デッサンと水彩・油彩
水彩画や油彩画は絵画の基本的な描画スタイルです。水彩画とは水彩絵の具を使った絵画です。代表的なものとしては日本の水墨画があります。一方油彩画は油絵の具を使った絵画です。
水彩画は透明感とやわらかみのある雰囲気が特徴的な絵で、油彩画はルネッサンスという言葉で思い浮かぶような、細密で鮮やかで重厚感のある雰囲気の絵が特徴です。いずれの絵画表現も魅力的なものですが、どちらにしても、デッサン力が求められると言う点では一緒です。
イラストに関してもそうでしたが、デッサンは物を見る力や物を感じる力を養ううえで大切なステップです。デッサンでは立体感や陰影や光の当たり方を徹底しますが、この基本的な力があるからこそ、水彩画や油彩画で色彩をつける時に、カラーに惑わされずに光と影の表現が上手にできるようになります。
油彩や水彩は色彩豊かな文色への配慮が大切になります。しかし色合いへの意識は光と影への意識が疎かになることにつながりかねません。デッサンをまず描き、それをよく見ながら色彩表現へと移っていく事で、より正確なものが描けるようになるでしょう。
鉛筆デッサン資格でイラストスキルをアップしよう
ここまで見てきたように、鉛筆デッサン資格はイラストを描く上での土台部分となってきます。これからイラストレーターとして頑張りたい人や、漫画家になりたい人、美術館関係で働きたい人などは、鉛筆デッサン資格を取得しておく事で、履歴書でアピールすることで、就職の際にも役立たせることもできるでしょう。
デッサンは、長い歴史を持つ絵画の重要かつ基本的な描写方法です。デッサンをマスターしているということは、様々な描写方法にインスピレーションを与えることになります。
絵を描くと言う行為は、人間の歴史や文化の中で大きな位置を占めてきました。またその描写方法や表現スタイル、モチーフは様々です。
しかし人物であれ動物であれ、何かの対象を描いて、人に感動を与えるという点では共通しています。黒と白という二色の限られた色合いで視覚的特徴をとらえる、鉛筆デッサン技術は重要視しないといけません。
絵画の天才と呼ばれる人物も、デッサンを数多く描いてその重要性を認識しています。例えば20世紀最大の画家と言われるパブロ・ピカソがいます。ピカソというと抽象的で素人には何が何だか分からない絵を描く人というイメージがあるかもしれませんが、実はデフォルメされたイメージだけでなく、デッサンも数百点描いています。
デッサンはあらゆるジャンルに通じる玄関口のような描写法です。中には「絵画にデッサンなど不要」とする声もありますが、デッサンは単なるモチーフの切り取りだけでなく、見る人の観察眼を反映するような魅力ある表現です。
特に存在しない物体や人物の絵を描く時も、結局のところ何かのイメージから連想して描かれることがあります。観察眼を養うデッサンは、イラストを描く上で見る力や想像する力を与える土台となってくれるはずです。
紹介した鉛筆デッサン資格の2つや、それに対応した諒設計の鉛筆デッサン資格講座を活用し、イラストスキルを高めてみてください。一部概要を説明ましたが、さらなる詳細は公式サイトにそれぞれ記載されています。資料請求などをして積極的にこれらのツールを使ってみましょう。