絵画を描く時の大切な要素はたくさんありますが、その中に透視法と投影法というものがあります。
感じで見るとなんとなくどんな要素なのかは想像できるかもしれませんが、これらの要素の重要性とデッサンにおける役割について簡単に説明したいと思います。
目次
透視法とは
まず透視法について見てみましょう。透視法とは遠近法の一種です。日本の表現でパースという言葉を使うこともありますが、投資法とはある物体を平面上に描写するメソッドを指します。透視法にはいくつか種類があって、一点透視法や二点透視法などがあります(三点透視法もある)。
遠近法のコンセプトなので、遠い場所にあるものは縮小されて描かれ、近い場所にあるものは拡大されて描かれるというのが基本ポイントです。水平線に向かって手前から線が伸びていって、やがてある部分に集約されていくようなイメージ図が透視図です。
例えば長く伸びた線路の真ん中に立って先の方を見ると(カーブはないとする)、2本のレールはやがて真ん中でくっついているように見えることがあります。その部分は絵画用語で消失点と呼ばれますが、このように水平線や消失点を意識しているのが透視法の特徴です。
一点透視法と二点透視法
一点透視法とは、ある物体を正面から見た時に、真ん中の奥行きに消失点が見えてくるように対象を描くことです。さきほどの線路のレールが一点透視法のコンセプトの一例です。またレオナルド・ダ・ヴィンチの有名な「最後の晩餐」などは一点透視法のアートの例です。
一方二点透視法は対象物を正面からではなく斜めから見ます。二点というように、斜めから見ることで消失点が2つ存在するようなコンセプトになります。例えば長方形の建物を、左角が中央にくる感じに斜めから見るとします。
そうするとその角から左側の建物部分に関して、地面に接する平行線と天井側の平行線との延長線が左奥へ続いていきやがて交わります。同じように建物の右側の地面側と天井側の平行線の延長線も右奥でぶつかります。このように2つの消失点が存在するのが二点透視法です。
投影法とは
投影法は、物体の位置やフォルムを平面に正確に描く方法です。投影法には平行投影法や透視投影法という種類があります。平行投影法は多数の視点を置いて物体から投影線を引き、視点と物体の間に架空の投影図をイメージして描く事です。
例えば三角錐の物体があるとして、その3つの角から同じ方向に線を平行に伸ばしていきます。その3つの平行線に物体と同じ寸法の形状を描きます。透視投影法では視点が一つです。そのため、さきほどの3つの角から伸びる投影線は平行にならず視点に向かって収束していきます。
この場合物体と視点の中間に描かれるものは、物体の本来の大きさよりも大きさが異なります。透視法も投影法も絵画の発展に深く関係する技法です。
まとめ
透視法にしても投影法にしても、絵画はとても奥深いものであることを示す良い例です。これらの技法を完璧にマスターするにはそれなりの時間がかかりますが、少しずつ練習していって自分のものにしていきましょう。