どんな物体でも、線だけで描き切れることはありません。光があって私たちは物体を見る事ができますが、光があたっている物体には必ず影があります。
影を意識する事はデッサンの大事な要素です。また歪みの有無をチェックする事も大事です。影やゆがみを意識する理由について説明します。
目次
影の重要性
机の上にリンゴが置いてあるとします。そこに左上からライトを当てます。そうするとリンゴの右下あたりにはっきりと影が浮かびます。光を当てる角度や光源の多さによって影の具合は変わってきますが、影がきちんと描かれるかどうかでデッサンの出来栄えは変わってきます。
影を付けると立体感が出るからです。影は一律ではなく光との兼ね合いで明暗が変動します。例えば光源を明るくすると影は暗くなります。
逆に光源を弱くすると影は明るくなります。一点集中の光をあてると影のフォルムははっきりし、ぼやっとした光をあてると輪郭がはっきりしません。
このように影は光との関係で色々な顔を見せます。そのため影を観察することが大事です。光の強さや角度、距離、数を変えてみて影の変化を見てみましょう。そうするとどんな場合に影がどんな顔を見せるのか分かるようになってきます。
歪みの理由
デッサンはしていると、絵が歪んでいるように見える事があります。それはプロであっても同様です。絵に狂いが出る事はよくある事です。左右対称になっていないとか、位置がずれている、斜めになっているといった狂いが出ます。
この狂いが出る理由としては両目の物体認識の問題が指摘されます。人は2つの目で物を見ているので、物体を真正面から見る事はできません。実際には角度がついた状態である物体を観察していて、左目と右目の両方で見たイメージをまとめて認識しています。
しかしこの時、利き目が影響して均等にイメージが合成されません。そのため角度がついた感じに歪みます。
歪みのチェック方法
歪みをチェックするには絵の左右反転をするのが効果的です。描いている絵を裏返して見て歪みがないかチェックします。歪みを見つけたら修正します。
それを何回も繰り返して歪みの特徴をつかむと良いでしょう。または利き目をつぶってしまうという方法もあります。そうすることで歪みの少ない絵になります。
まとめ
影の付け方を意識したり、歪みの有無をチェックすることは正確なデッサンに仕上げるのに大切な要素です。最初は色々と試行錯誤をしないといけませんが、紹介したポイントを意識して少しずつ練習してみましょう。